イラストで「育児日記」を気軽に描くコツ

シンプルなレイアウトで、ユーザーの用途や目的によって、さまざまな使い方ができるEDiTの1日1ページ手帳。スケジュール帳として使うほか、中には日記や趣味、食事の記録に使っている方、あるいは子育てのログを綴っている方もいらっしゃると思います。

でも一方で、たとえば育児日記なら「時間がないから、そんなの無理 !」と構えている人や、「子どものかわいらしさをイラストで残してみたいけれど、描くのは苦手だし......」、そんな風に肩を落としている人もいるかもしれません。

そんな方々にきっといいヒントになる、「気軽に、簡単に書ける"イラスト子育て日記"の描き方のコツ」を、雑貨デザイナーの宇田川一美さんに伝授していたただきました。

PHOTO:井関信雄

雑貨デザイナー兼2歳児のママ

イラストとクラフトで手づくりライフログノート(技術評論社)』、『小さなラッピング(自由国民社)』等、クラフトや手づくり文具書関連籍の著書も多い宇田川さん。商品開発や雑誌でのクラフト制作、コラムの執筆、ワークショップなど、「雑貨」にまつわる様々な仕事をしている雑貨デザイナーです。またプライベートでは、2歳半の娘さんを育てるママでもあります。ある春の日の午後、宇田川さんの穏やかな人柄そのままのようなゆったりとした空気が流れ、自然光でいっぱいの自宅兼アトリエにお伺いして、お話を聞いてきました。

慌ただしい、娘との日々の中で

現在、仕事をしながら、2歳半の子どもとの毎日を過ごしています。日中は娘を保育園に預け、17時までにはお迎えに行きます。そこから寝かしつけまでの時間は、自分のことは後回し。娘が保育園にいる時間や寝かせた後に、仕事に集中しています。今は、お年寄りから幼児まで、さまざまな年代のターゲットやテーマに沿って、クラフト雑貨のアイデアを出し、それらを実際に制作して、ハウツーを書籍や雑誌で紹介する仕事も多く、住まいがアトリエとしても機能しています。とはいえ、今まで長年、仕事優先の生活だったので、育児と仕事の切り替えにまだまだ慣れない日々を送っているところです。

そんな慌ただしい中、「娘との日々を残したい」と、イラストで「子育てメモ」的な記録をしています。私は普段から文字を書くよりも、絵で描く方が早く気持ちを表せるので、これは自分に合った方法でした。

子どもとのやりとりが新鮮なうちに、記録する

子どもの成長は、ジェットコースターに乗ったような、紙に落とすと広がるインクのような、それはそれは早いスピードですよね。その上、1日はあっという間に、瞬く間に過ぎてしまう! でも、自分も含めて世のお母さんたちは、「子育て日記をつけたい」と思っても、 メモをとったり、スケッチする時間も、ままならないのが本当のところだと思います。それでもきっと、その1日、そして日々の積み重ねは、後になって振り返れば、とても愛おしい日々のはず……。

だから、「なるべく“今”にストレスなく、子どもの成長を記録しておきたい」、「子どもとのこの“やりとり”が新鮮なうちに、紙に留めておきたい」……そういう気持ちで、思い立ったらすぐに記録できるために、“できるだけシンプルに、感覚的に描ける方法”、“気負わずに、なるべく簡単に描けるコツ”をみなさんにもお伝えしたいと思います。

「できるだけシンプルな線で表現する」、がポイント

1.「わが子キャラ」を決める

まずは、主役の「わが子キャラ」を描いてみます。
基本は「マル+前髪+目、口」。できるだけ、シンプルにしましょう。

髪型が決まれば、もうできあがりです。

目、まゆげや口の形で、いろいろな表情ができます。

おしゃべりの内容を文字で添えるので、微妙な表情でもOKですよ。

次は、体を描いてみます。頭に対して小さめに体を描くと、小さな子の雰囲気が出ます。

もじもじ……体を揺らす線を描いたり。

髪型をすこし横向きに降り、しゃべる向きを出したり。


2. 吹き出しは線で描く

しゃべり言葉の「吹き出し」を囲みにせず、単純な線でラフに描くことで、描くときにかかる時間を節約します。

「普通のトーンの声はまっすぐな線」、「大声はギザギザ線」など、吹き出し線のバリエーションを数種類つくり、シチュエーションを表現します。


3. 着ているものを描く

子どもの服はすぐ小さくなって、お下がりで人に譲ったり、収納スペースの都合で処分してしまったり……手元に残らなくなってしまいます。愛着のあるコーディネートは、「引っ張り線」で解説してみましょう。イラストだからできる楽しい表現です。


4. 食べたものを描く

取り立てることがないような毎日のごはんも、「この食材を初めて食べた」とか「この日は、がんばってつくったなぁ」など、見返してみるといい思い出として、楽しみが増えます。食材の名前などを文字にして添えることで、写真とはまた違う記録になりますよ。


5. いただいたプレゼントを描く

子どもがいると、何かといただく機会が多い贈り物。これらもイラストに描いてログしておくと、後々もずーっと思い返せます。また、お礼やお返しのための備忘録にもなります。


6. さあ、EDiTに描いてみましょう

イラスト同士が重ならないように、イラスト同士の余白を十分空けます。「イラストで短く箇条書きする」という気持ちで描くと、いいかもしれません。「気に入った筆記具を使う」というマイルールも、筆が乘るための重要なポイント。また色えんぴつを使う場合も、ていねいに塗りつぶす必要はなく、さっと簡単に色づけする程度に。時間がなければ、色をつけず、線画のみでも十分です。うまく描けなくても、気持ちがあれば、それはずっと残るんですから……。

「ゆるく、たくさん描き込まず、がんばらない」のが、この育児絵日記のポイントです!
絵を描くことをストレスにせず、息抜きとして楽しんでほしいですね。

7. EDiTは常に出しておく

日記を綴るEDiTは、常に目に入るところに置いておくといいと思います。たとえば、キッチンのカウンターにペンといっしょにEDiTを置き、さらに当日のページを開いておくとよさそうですね。こうすると、台所仕事の合間や子どもがお昼寝している間に、さっと描いたり、メモをしておくことができます。いつもそばに置いておくと、記憶が新鮮なうちにアウトプットできるので、描くときも思い出す作業をしたりせず、悩まずにすみますよ。

子どもが大きくなったら、いっしょに眺めたい

描く時間がない日は白いページもあると思いますが、それに落ち込む必要はないと思います。「その時は子どもにくっついて、いっしょに過ごしていた証拠」ということにして。空いたページは、日付に関係なく、子どもの手形をつけたり、いっしょにお絵描きをしてしまいましょう。そういった思い出のかけらを、いつか成長した子どもといっしょにゆっくり眺める日がくるのかな……そう思うと、描くことも苦にならない気がします。今も、娘といっしょに眺めていると、「これはおべんとう?」「オシリだしてる!」と、自分が登場した絵本のように楽しんでいます。

うちは、私がいつも何か描いたりつくったりしているので、その様子を見て、娘も私を真似て、描くことに親しんでいるようです。もう少し大きくなったら、娘も絵日記を1冊つけてくれるようになるといいな、と思っています。

宇田川一美 Udagawa kazumi
雑貨デザイナー

東京生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、雑貨メーカーに企画デザイナーとして勤務。
現在はフリーランスとして、メーカーと共同の商品企画、雑誌でのクラフト制作、コラムの執筆やワークショップなど、「雑貨」に関わる多様な仕事をしている。
また、『手づくり文房具(池田書店)』『ちょいワザ文具術(ポプラ社)』『筆ペンで書く ゆる文字(誠文堂新光社)』など多数の著書があり、新しいものづくりを提案し続けている。



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