戻る
使い方

かわいい手描き文字とイラストで記録

インスタグラムなど、フィルターを使って写真をかわいくアレンジできるデジタルアプリもいいけれど、手描きで思い出を残すと、それを描いた時間も含めて、いっそう大切なひとときとして、鮮やかに記憶に残る気がしませんか?

EDiTの1日1ページ手帳を使って、絵日記を描くコツ、とりわけ今回はかわいい文字を描く工夫を雑貨クリエイターの宇田川さんにお伺いしました。
アイデア・語り・PHOTO : 宇田川一美

基本の手描き文字4種

① 文字の形を均一な太さの線で表す“ゴシック体”
② 一筆書きのように文字を続けて書く“筆記体”
③ 縦線が太く、横線は細く、起筆部と終筆部にひげのような飾りが付く“ローマン字”
④ 文字を輪郭線で描いて白抜きにする“袋文字”

これが基本の手描き文字になります。この4 タイプを知っておくと、手描きの日記がどんどん楽しくなりますよ。

文字を描く練習をしてみましょう

下書きから追って、仕上がりまでの工程をお見せしますね。平行や垂直、字の間を揃えるなどのコツさえつかめるようになれば簡単です。

■ ゴシック体

1. 下書き : 目安となる下線のアーチを描いて中心線を決め、左右同じ文字数になるよう、放射状に字と字の間を空けて単語を書きます
2. なぞる:ペンで文字をなぞります
3. 整える:少しずつ線を太くしていきます
4. 完成:消しゴムをかけて、完成!

筆記体

1. 下書き:文字の下に目安線を書き、文字の斜めの部分はすべて平行になるように下書きします
2. なぞる:ペンで文字をなぞります
3. 整える:空いているところを塗りつぶします
4. 完成:消しゴムをかけて、完成!

■ ローマン字

1. 下書き:文字の上下に目安線を書き、それぞれの文字を垂直、平行方向に揃えて下書きします
2. なぞる:ペンで文字をなぞります
3. 整える:空いているところを塗りつぶします
4. 完成:消しゴムをかけて完成!

■ 袋文字(影付き)

1. 下書き:文字の上下に目安線を書き、それぞれの文字を垂直、平行方向に揃えて下書きします
2. なぞる:ペンで文字をなぞります
3. 影を付ける:上下の平行を守って、影を付け足します
4. 完成:消しゴムをかけたあと、付け足した影の部分をペンで塗りつぶして完成!

うまく描けそうですか? 手書きの看板やTシャツのグラフィックなど、街に溢れるさまざまなアイテムや自分の持ち物などを改めて観察すると、文字を書く参考やお手本になりますので、改めて目を光らせてみてくださいね。

手描き独特の線の震えやゆがみは、とっても魅力的な『ハンドレタリング』をつくります。私はその味わいのある筆跡が大好きなのです。

文字にイラストを加えて、ページをにぎやかに

次はイラストに文字を添えてみましょう。

ラフな筆記体をイラストに沿わせてメニューや名前を書いています。文字が踊るようでかわいく仕上がります。

イラストの中に文字を書き込んでアイコンのように使うと楽しさが出ます。リボン、吹き出しやフラッグは、文字を飾る立役者になります。

かわいい文字で書く絵日記 実践編 : 「食」編

食まわりと手描き文字は相性がいいんですよ。カフェやレストランのメニューボードのようなかわいらしさが出てきます。

その1 : ホームパーティーで知ったビールの奥深さを

ビールに詳しい友人宅でホームパーティー。セレクトしてもらったおすすめのビールの解説付きの飲み会です。ビールの種類やそれぞれに合うお料理など、味の違いを楽しみました。ビールの奥深さに感激! 好みの味にも出会うことができました。思い出として、そしてこの機会に得たビール知識の忘備録としてイラストに残してみました。

ビールのシルエットやラベルをスケッチ

1ページの中心にビールの種類を表のように書き、左右にそれぞれのビール瓶とラベルのスケッチを。楽しさの中にも、資料性のあるページにしてみました。スマホであらかじめ瓶の写真を撮っておいて、それを見ながらスケッチを描いています。

その2 : アウトドア・ブレックファストを描く

晴れた休日の朝、気分を変えて、庭に面したベランダで休日の朝ごはんを食べました。陽を浴びて、流れる風も心地よく、まるでキャンプに行ったような気分でした。わざわざお出かけしなくても、ちょっとしたアイデアでいつものごはんがイベントになりますね。メニューを記録した絵日記にしました。

カフェの手描きメニューをイメージしながら

カフェ風の手描きメニューのイメージで、簡単なイラストと合わせて文字を。「Outdoor Breakfast」とタイトルが決まれば、あとはどんどん描けてしまいます。フラッグやリボンなどのモチーフを配置した、ウキウキ感のある日記です。

その日のデータをかわいい文字で記録

文字と文字の感覚を気持ち空けて大文字のゴシック体を書き、かわいらしい文字に見えるように演出。たとえばこんな風にその日の天気、場所やBGMなどのメモを、1日1ページの下のスペースに記入してみましょう。

もっとEDiTを楽しむアイデア

この絵日記を続けていけば、イラストや文字を書くのがどんどん上手になります。デザインセンスを磨く練習にもなりますね。

ただ「描く / 書く」ことだけでなく、このようにアーカイブ化することで、テーブルのスタイリング、メニューや盛り付け方、おもてなしのアイデアなど、食まわりのセンスアップにつながること間違いなし。

また描いたページをスマホで撮影し、一緒にテーブルを囲んだ友だちに送って思い出を共有すれば、お互いに何度も見返して楽しめそうです。

もしくはインスタグラムにアップして、みんなに見せるのもいいかも! ハッシュタグは、 #EDiT #Diary #Homeparty#手書き文字 ? 海外の人たちとも繋がったり、共感し合ったりすることもあるかもしれません。こんな方法も、デジタル時代の新しい手帳の楽しみ方ですね。

Profile

宇田川一美 Udagawa kazumi
雑貨デザイナー

東京生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、雑貨メーカーに企画デザイナーとして勤務。
現在はフリーランスとして、メーカーと共同の商品企画、雑誌でのクラフト制作、コラムの執筆やワークショップなど、「雑貨」に関わる多様な仕事をしている。
また、『手づくり文房具(池田書店)』『ちょいワザ文具術(ポプラ社)』『筆ペンで書く ゆる文字(誠文堂新光社)』など多数の著書があり、新しいものづくりを提案し続けている。
https://www.facebook.com/k.udagawa/