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使い方

EDiT手帳は
作品づくりの記録や柄の見本帳にぴったり

EDiT手帳がマスキングテープアートのヒントに EDiT手帳がマスキングテープアートのヒントに
マスキングテープを素材にアート作品を制作している船原七紗さん。誰もが知る絵画や版画が100年以上の時を越えて、油絵のような、モザイク画のような新しい表現で蘇る驚きがそこにはあります。

そんな船原さんは、「昔から三日坊主で、日々のログや日記は書けないかも......」と手にしたEDiT1日1手帳にマスキングテープを貼っていくことにしたと言います。船原さんのマスキングテープのコレクション数はおよそ1400巻。今回は船原さんがマスキングテープを使った作品づくりを始めたきっかけなどをお伺いしながら、アートとマスキングテープへの愛にあふれた作品とEDiT手帳をご紹介します。
PHOTO : 山本亮

集めたマスキングテープは1400巻以上

マスキングテープは、高校生の頃に初めて買って、大学に入ってから集めはじめました。現在では1400巻くらいありますが、どんどん増えていくので、そろそろマスキングテープ用の棚を買おうと思っています(笑)

マークスをはじめとしたメーカーや、よく行く雑貨屋さんのTwitterなどで情報を収集して新作があると、店頭に見に行きます。ヴィヴィッドな色や花柄が好きで、つい買ってしまいますね。また作品の画材として見るときは、ストック用に2つ買うこともあります。マークスの「マステ」もたくさん持っています。

インタビューに笑顔で答える船原七紗さん

アート作品の素材としてマスキングテープを

素材としてマスキングテープを使うようになったのは、美大時代、在籍していた油絵学科の課題で人物画を描くことになり、あえて油絵以外の手法でと考えて、ダ・ヴィンチの『モナリザ』をマスキングテープで描いたのが始まりです。卒業制作でも、伊藤若冲の『鳥獣花木図屏風』を大きな屏風につくりました。

油絵は、色を少しずつ重ねて1枚の絵を仕上げていくので、マスキングテープをちぎって重ねて貼っていく……その手法は油絵のテクニックと基本的には同じなのだと思います。

油絵だと匂いや汚れが気になって家ではなかなかできないのですが、マスキングテープを使った作品づくりは気軽にできるところも気に入っています。

『真珠の耳飾りの少女』ヨハネス・フェルメール

「光と影の美しさを描こうと努めました」 / 『真珠の耳飾りの少女』ヨハネス・フェルメール

1日1ページ手帳にマスキングテープを貼って
作品づくりに活用

昼間は仕事をしているので、帰宅してテレビを見たり、音楽を聴いたりしながら、リフレッシュしたいときにEDiTの1日1ページ手帳にマスキングテープのコレクションを貼っています。

手帳に貼るときは、ページごとに色別だったり、テーマをつくったりしているので、見返して色の組み合わせなどを創作時の参考にすることもあります。また、作品で使ったマスキングテープをまとめて貼っておき、記録にすることもありますね。

以前は単語帳で見本帳をつくっていたのですが、それだと1柄1柄しか見られなくて……。EDiTにその日の気分やテーマで貼っておくと、まとまった形で柄が見られるので、あとで見返しても楽しい気分になります。

インタビューに笑顔で答える船原七紗さん

つくったページは「#マステEDiT」で投稿

テーマは、“和物”、“冬”などカテゴリー分けしたり、成人の日は着物に合いそうな柄、ホワイトデーのときはそれをイメージした柄を集めたりしています。あるいは友人の結婚式のウェルカムボードに使った柄を一覧にして貼るなど、いろいろです。先日はミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』を観に行ったので、そのイメージでポップな色や柄を貼ったりしました。

EDiTに貼ったページをTwitterで「#マステEDiT」とハッシュタグを付けて投稿しているのですが、今のところ私しかこのタグを使っていないので、もっと広まってほしいですね(笑)

マスキングテープを貼付したEDiT1日1ページ手帳

テーマ / 左 : 幾何学模様 ・右 : モノクロ

マスキングテープを貼付したEDiT1日1ページ手帳

テーマ / 左 : 和柄・右 : 赤

マスキングテープを貼付したEDiT1日1ページ手帳

テーマ / 左 : 日本・右 : 冬

遠近で違って見える
マスキングテープアートの楽しさ

作品をつくっているときは手元に集中しているので、離れて全体を見たときにイメージ通りにできあがっているのを確認した瞬間が、マスキングテープを使ったアートの楽しさですね。アートイベントのデザインフェスタに出展したときも、外国人に素材を聞かれたり、通り過ぎた人が「あれっ?」という感じで戻ってきたり……。作品をパッと見たときに感じる違和感に引かれて近寄ると、さまざまな柄や色が重なり合っているので、遠目で眺めたときと近距離で見たときの印象が違うんですよね。

『富嶽三十六景 凱風快晴』葛飾北斎

「名画を再現するときはその作品の最も強いイメージを残し、背景では柄を見せる遊び心でつくっています」/ 『富嶽三十六景 凱風快晴』葛飾北斎

マスキングテープを使った作品を近くで見た写真

名作の中に隠れるお寿司やおにぎりがユーモラス。ちぎり絵「お寿司はお気に入りの柄でよく登場させています(笑)」。小さくちぎったマスキングテープがいくつにも重ねられ、近くで見ると立体的

『花鳥版画 雪竹に錦鶏図』伊藤若冲

「集中して8時間かけて一気に制作しました」 / 『花鳥版画 雪竹に錦鶏図』伊藤若冲

マスキングテープで絵を描きたい人へ

私も下描きをしてから、それを塗っていくような、ぬり絵のような感じでマスキングテープを貼っていきます。「興味はあるけど、絵は描けないし⋯⋯」と、絵を描くことが苦手な人は、市販のぬり絵を使って下絵にしたり、自分で撮った写真をトレースして、そこから線画を起こせば下絵代わりになるし、自分のやりやすい方法でやってみてほしいですね。

マスキングテープを使って表現したランプシェードとランタン

「デザイン性のあるものをつくりたい」と、灯りと暗闇をマスキングテープ、ランプシェードとランタンを白抜きで表現したオリジナル作品

これからの作品づくり

今までA4やそれ以上のサイズに挑戦した作品が多かったので、今後は手帳やスマートフォンサイズなど、手に取りやすい小さな作品もつくっていきたいと思っています。

Profile

船原七紗さん
船原七紗 Nasa Funahara

武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。大学在学中の2013年からマスキングテープを使った絵画制作をスタート。不動産関係の会社で仕事をする現在、家具や壁のデコレーションをはじめ、住まいの装飾にマスキングテープを用いるなど、ユニークな提案をしている。同時に、個人の創作活動としてマスキングテープによる絵画を描きつづけ、展覧会やデザインフェスタなどへの出品なども行っている。

WEB : http://www.loftwork.com/portfolios/75san
Twitter: https://twitter.com/dtwob777