独特の世界観が詰まったアフリカ布
暮らしに合わせたアイテムとして提案

多彩な色づかいやユニークなデザインが特徴のアフリカ布。今年、ニューヨークから日本に活動の場を移し、アフリカ布でつくるファッション&ライフスタイル雑貨のブランド「AYA」を立ち上げたAyaさん。アフリカ布との出会いやその魅力、創作活動、また「EDiTラボ」で制作したカバーについて、明るい陽が差し込むアトリエにてお話を伺いました。

TEXT : 中村克子 PHOTO : 高見知香 

偶然の出会いからはじまった作品づくり

「見ているだけでもワクワクする気分になったり、元気になったりするのがアフリカ布の最大の魅力だと思います」と朗らかに話すAyaさん。アフリカ布と出会ったのはニューヨーク。グラフィックデザイナーとして働いていたときのことでした。

「たまたま、ブルックリンの街でテキスタイルのリサーチをしていたんですが、一目で魅了されましたね。柄のモチーフは植物や動物、幾何学模様や文字などさまざま。色づかいやデザインが今まで見たことがないものだったり、日本で見たことがあるような懐かしいものだったりとバラエティに富んでいました」。その後、本業の傍ら独学で、アフリカ布を使ってバッグや小物をつくるようになったそうです。

写真左:グラフィックデザイナーをしていたニューヨーク時代のAyaさん / 右上:住んでいたブルックリンのアパートの近隣にある、アフリカ布の柄のような色鮮やかなグラフィティアートはストリートアーティストBarry McGeeによるもの / 右下:ニューヨークの街で撮影した初期の作品、リュックトートバッグのイメージカット

「AYA」で扱っているアフリカ布はワックスプリントの布。オランダでアフリカ市場向けに生産されている「ダッチワックス」や、西アフリカで生産されている「アフリカンワックス」がメイン。これらの布はAyaさんがニューヨークに滞在中に購入したもの。今後はオランダなどから輸入していく予定だそう。「品質のいいものは退色も少なく、長く使うことができます。綿100%で、パリッとした張りのある質感も特徴のひとつです」。

朝、アトリエへ向かうときには、モロッコでつくられたカゴを愛用しているAyaさん。カゴの中には、EDiTの1日1ページ手帳やアイデアを書き留めるノートなどが入っています。作品の構想やデザインはノートに細かく書きとめておくそうです。「ノートに書くことでアイデアがまとまり、自然と頭の中が整理されていきます。創作のアイデアはさまざまですが、本からヒントを得ることもよくありますね。雑誌が大好きで、ファッションやカルチャー系の雑誌をよく読みます」。

つくる側も使う側も楽しめるアイテムをめざして

「AYA」のアイテムは、品質の高いアフリカ布と国産帆布などを組み合わせています。ものづくりの根底には、「季節や流行にとらわれずに、使う人のライフスタイルに合わせて楽しみながら取り入れてほしい」という思いがあります。「大切にしているのは、まずは私自身がワクワクしながらハッピーな気分で作品をつくること。そういう気持ちは、作品を通して人に伝わると思いますから」。

写真 : アトリエの棚に積まれた個性的な色と柄のアフリカ布

手間をかけて、一つひとつの工程を丁寧に

横浜にあるアトリエでの仕事は、午前中から始めることが多いというAyaさん。「この辺りは緑が多く、小動物をときどき見かけるくらいのんびりとした場所なんですよ(笑)。午前中の方がさわやかな雰囲気の中で、気持ちよく仕事ができます」。

アトリエでは、主に布の手入れや裁断などを行います。「まずは、折り畳まれた布にアイロンをかけてしわを伸ばし、ロール状に巻き直します。このひと手間がとても大切。巻き直すことでこの後の作業がしやすくなります。それと、このときにじっくりと布の状態を確認します」。機械を使って表裏の両面をろうけつ染めするワックスプリントは、裏表の見分けがつかないことが多いと言います。「工場に縫製をお願いするときに、布の表をきちんと指示するのも重要な仕事なんですよ」。

次に行う作業は、型を決めて裁断すること。「アフリカ布の柄の大きさやデザインは布によって少しずつ違うので、満足のいく柄の出方にカットするのがポイント。柄そのものが持つよさを生かすように心がけています」。

裁断するときに使うハサミは、Ayaさんにとって愛着のある道具。「実は、小学校の家庭科の授業で使っていたハサミなんです。不思議なんですけど、このハサミをニューヨークにも持って行っていました。特に使う予定はなかったんですが(笑)。何か縁があったのかもしれませんね。このハサミを使ってAYAをスタートし、今では仕事に欠かせない大切な道具です」。

「EDiT」を愛用しているからこそのアイデア

「今回、EDiTラボのコラボレーションのお話をいただいてとても光栄でした」と話すAyaさん。元々、自身もEDiTの手帳を愛用していたそうです。「ニューヨークから一時帰国した際、使いやすい手帳を探していた時に見つけました。EDiTは1日1ページで書きやすく、シンプルで携帯しやすいところが気に入っています」。

今回のコラボカバーの柄は全部で3種類あり、カードポケットとカードスリッド、ペン挿し付きです。「柄は私が好きなものをセレクト。手帳を開くのが楽しくなる、そんなイメージで選びました。使ってもらう人に、アフリカ布の魅力を味わってほしいですね。それに、使っていくうちに手になじんでくるので、使いやすいと思います」。

ペン挿しの部分は太いペンでも入るようにサイズを大きめにしたり、カード類を入れるポケットを多くするなど、自身が実際に使ってみて、使い勝手のいい点をふまえながら制作。「布を折り返すと厚みが出てしまうので、あまり厚くならないように試行錯誤を重ねました」。また、「裁断する布の面によって、少しずつ柄の表情が違う点も味わってもらいたいですね」。

今後は新たなつながりを大切に

「これからもAYAの作品を通して、使う人を幸せな気持ちにするアフリカ布を多くの人に知ってもらいたいですね。そして、今後は違うジャンルの作家さんや業種の方とも積極的に交流するなどして新しい作品づくりにつなげたり、アフリカ布を通して何かの役に立てることがあればしていきたいなと思っています」とおだやかに話すAyaさん。さらに、活躍の場が広がっていくのが楽しみです。

写真 :「AYA」で制作されたトートバッグ、ブックカバー、ヘアゴム、ポーチ。「AYA」のロゴはシンメトリーなデザインに

AYA
Aya

ニューヨーク・パーソンズ美術大学コミュニケーションデザイン学部卒業。ニューヨークのファッションレーベル「LUTZ&PATMOS」やトレンド情報企業「WGSN」にシニアグラフィックデザイナーとして所属。街でアフリカ布と出会い、バッグや小物を制作。2016年に拠点を日本に移し、ファッション&ライフスタイルブランド「AYA」を設立。
http://www.aya-ny.com